ホリスティック医学

スタンフォードに学ぼう!間違えてヘッチャラ!

【スタンフォードに学ぼう!間違えてヘッチャラ!】

昨年から地元小国町で始まった中学3年生を対象にした週2回の町営の塾。教育委員会からの依頼で、今期は夏休みに中1、中2生対象にも3日間夏季講習をすることになった。

私が28年前に始めた寺子屋TAO塾は、受験を目的にしたいわゆる「進学塾」ではない。クスリや手術で外側から医療を施す「治療所」ではなく、本来誰もが持つ自然治癒力を引き出す「養生塾」のコンセプトに似た、競争心を煽り教え育てる「教育」ではなく、本来子供達が持つ知的好奇心、崇高本能を引き出す自学自習へ導く「コーチング塾」。

かつて、TAO塾から久留米附設ほか難関中学・高校に合格する生徒や京都大学や国立大医学部、あるいは海外の大学に進学する卒業生が多数続いたことで、ある受験関係の雑誌社から取材を受けたことがあった。

「子供たちが伸びた理由は何でしょうか?その教育コンセプトは?」とインタビューされ、私の口から出た言葉は「間違えてヘッチャラ」「いいところをほめる」「自学自習」の3つだった。

どんな子供でも3歳にもなれば、片言ではあるが日本語をペラペラと話すようになる。その秘訣は、「間違えてヘッチャラ」と日々間違えながら、日本語モドキをしゃべりまくること、そして家族や周辺から愛を持ってほめてもらえる環境にあることだ。

私はこの「間違えてへっちゃら」「いいところをほめる」が旨く機能して急激な学力の伸びを示す事実を1000人を超える生徒たちとのやり取りで数多く見て来た。

○○メソッドなる、時に過剰な早期教育には賛同しない私だが、小学生で中学全範囲を終え、中学で熊本県1番の成績になった子や、イジメ•不登校の自己体験を経て、今や体と心の癒しを提供する人気サロンを経営している子、世界人講座でドイツの環境意識や職人制度に興味を持ち、12年間ドイツに留学しマイスターを取得して帰国した子や、社会人講座で元国連職員の人の話を聴いて海外への志が芽生え、毎日TAO塾に通い何時間も自学自習し、ついには日本とアメリカの学士号を同時取得した子も!阿蘇小国の山奥から20人以上の生徒達が海外へジャンプした。

私自身は決して優秀な選手ではないが、時に「トンビがタカを生む」コーチングは得意なようだ。

何せ、「伸びたい・成長したい」と思っている人間、何かに挑戦したいと思っている人間に対して、自分の持ちうる知識・経験・人脈その他全てのエネルギーを渡したくなる衝動が半端なく、自分の内側から自然に溢れ出てしまうからしかたない。

3年前、料理研究の天野朋子さんと2週間一緒にカルフォルニア講演の旅をしたときに、講演の合間をぬって名門スタンフォード大学を訪ねた。その日はちょうど9月11日、あの同時多発テロの犠牲者を悼む星条旗を街のあちこちで見かけた。

講演先の一つでホームステイさせて頂いたShinobeau McConneyさんに、旦那さんがスタンフォードの法学部教授をしているNatsuko Greenbergさんを紹介してもらい、彼女にキャンパス内にある瞑想センターや平和研究所等を案内して頂いた。マインドフルネス、リトリート、紛争変容平和構築学・・・日本の象牙の塔とは違う先進的な取り組みが垣間見られた。

何より、スタンフォード大学の校内に漂う「fail first, mission-driven」(失敗を恐れず、社会的使命に燃えよ)の空気感が素晴らしかった。スタンフォード大学を起源とするITベンチャー企業が5000社を上回るという意味がよくわかった。嬉しくなって、私は人目を憚らず、スティーブ・ジョブズの伝説の「Stay hungry, stay foolish」(ハングリーであれ、愚か者であれ)の物真似スピーチ芸をかましてしまった(笑)

TAO塾の寺子屋教育でやった来た「間違えてもヘッチャラ」ということを、小国町の町営の「地域未来塾」でも、生徒たちに強く強く伝えていきたい。従来の○×式教育で間違えることに恐怖心を持った子どもたちも、「間違えてもヘッチャラ」の空間にしばらくいると、伸び伸びと自分の意見を出すようになる。そもそも、教室ということころは、沢山間違えていいところだと安心させることだと思う。

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「教室は間違うところだ」 蒔田 晋治

教室は間違うところだ。みんな、どしどし手を上げて。

まちがった意見を言おうじゃないか.まちがった答えを言おうじゃないか

間違ったことを恐れちゃいけない。間違った者を笑っちゃいけない。

間違った意見を、間違った答えを、ああじゃないか、こうじゃないか

とみんなで出し合い、言い合う中でだ、本当のものを見つけていくのだ。

そうして、みんなで伸びていくのだ。

いつも正しく間違いのない答えをしなきゃならんと思って、そういうことだと思っているから、間違うことが怖くて怖くて、手を上げないで小さくなって、黙りこくって時間が過ぎる。

仕方がないから先生だけが、勝手にしゃべって、子供はうわの空。それじゃちっとも伸びていけない。

安心して手を上げろ。安心して間違えや。

間違ったって、笑ったり、馬鹿にしたり、怒ったり、そんな者はおりゃあせん。

間違ったって誰かがよ、直してくれるし、教えてくれる。困った時には先生が、ない知恵しぼって教えるで。そんな教室作ろうやあ。

お前変だと言われたって、あんたが違うと言われたって、そう思うだからしょうがない。

誰かが仮にも笑ったら、間違うことがなぜ悪い。

間違ってることわかればよ、人が言おうが言うまいが、おらぁ自分で改める。わからなけりゃその代わり、誰が言おうと小突こうと、おらぁ根性まげねえだ。

そんな教室つくろうやあ。

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