この世の構造

種とミツバチとゆるやかなネットワーク

「ミツバチが地球上から姿を消した場合、人類はわずか4年間しか生存できなくなる。蜂蜜はなくなり、受粉はなく、植物も動物も人類もいなくなる――」

上記の言葉、「都市伝説」ではアインシュタインによるものと世間では広がっているようだが、どうやらベルギーの作家モーリス・メーテルリンクが1901年に出版した著書「蜜蜂の生活」で語った内容らしい。

さて、4年目になる TAO食育菜園のニホンミツバチの採蜜会。天気にも恵まれ、今年も大屋敬一先生のご指導で7年目になるTAOリトリートの味噌合宿の最終日に開催できた。

国連食糧農業機関(FAO)の試算によれば、ミツバチが世界で生産される全作物の3分の1以上で受粉を行い、75%について生産性を高めているという。つまり、ミツバチが絶滅すると、少なくとも世界の作物の3分の1が失われる恐れがあることになる。ひいては人類滅亡にも•••。様々な議論はあるが少なくとも●●の大予言や、●●の預言よりは信憑性はずっ〜〜と高い!

•••2098年、蜜蜂が絶滅した後の世界。人々は人工授粉で農作物を育てているけれど、食料生産量は激減し、人類は滅亡寸前だった――主人公の女性の名は奇しくもタオ!

こんな設定で始まる世界30カ国以上で出版されたベストセラー「蜜蜂」(マヤ・ルンデ著)が、日本でもNHK出版から和訳本が出版されている。これまで2度TAO塾で講演してくださった韓国のファン•デグォンさん著「野草手紙」の初版本もNHK出版。昨今、NHK本体は様々な問題を指摘されているが、良書出版を手掛けている心ある出版社だ。

「地獄で作る天国味噌」合宿のニホンミツバチ採蜜会!今年も”ハレ食”の美味しい蜂蜜を頂きながら学習と交流を楽しめた。時にNOと言うことも大事だが、小さなYESを楽しみながらやり続けることがコツ♪

2年前、阿蘇に住む市民グループとTAO塾卒業生のお父さんでご近所さんの原山寅雄さん率いるJA阿蘇のコラボで元農林水産大臣で弁護士の山田正彦さんの講演が企画された。

TPP協定批准以後、遺伝子組み換え大国に向かっている日本。「民間企業の市場参入を阻害する」との口実で廃止された種子法。一方、アメリカは2017年にTPP離脱、欧米ばかりでなく、韓国でも学校給食のオーガニック率は5%に伸び実に日本の20倍。かの中国も遺伝子組み換え農作物輸入、国内栽培を禁止。各国が食料自給率を挙げている中、日本は14%まで落ち込むと予測されている。

種子の問題に取り組んでおられる印鑰智哉氏の講演、ビデオに学ぶところも大きいが、法律家らしい説得力を持って語られる山田さんの「【条例】の持つ力」の話は、種子にまつわる大状況を知れば知るほど無力感を味わう市民にとって勇気を与えるものであった。

採蜜会、そして味噌合宿が終わり、リトリートセンターの片付けをしているとお隣大分県竹田市で「種を守る活動」をしている友人2人がランチに来た。

話を聞くと彼らの声が行政を動かし、竹田市がついに種を守る条例を定めたとの朗報。

さて、山形、新潟、富山、埼玉、兵庫、北海道、岐阜、長野、福井、宮崎、滋賀、宮城、鳥取、茨城、栃木、群馬、千葉、新潟、石川、福井、三重、兵庫、広島、鹿児島、•••などに続き、大分県も種子条例を作れるだろうか?そして我が熊本県は?

農家、JA、議会、行政、NPO、市民•••それぞれが自分の持ち場をやりきることで、無理のないゆるやかなネットワークを組み、少しずつ「いのちの根源である食と農を守る」全国的なうねりをうんでいっている!

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