TAO的パラドックス思考

縁は異なもの味なもの〜いのちの祭り‘88の巻

※2008年8月8日執筆

「八八年八月八日八ヶ岳の八並びに集まろう・・・」

チェルノブイリ原発事故の二年後、「NO NUKES ONE LOVE」をスローガンに1988年8月2日から8日まで長野県富士見パノラマスキー場で繰り広げられた日本版ウッドストック「いのちの祭り」(通称ハチハチ)。メインコンサートの夜には九千人(一説には8888人?!)に及ぶ人達が集まった。今や、日本のオールタナティブムーブメントの伝説とすらなっている「ハチハチ」だが、元をたどると喜納昌吉氏の提唱からスタートしている。

大学卒業後、信州諏訪の学育塾で働いていた私は、当時その会場のすぐ近くに住んでいて、東京時代の仲間らと一緒にどっぷりと参加した。祭の実行委員長は隣町の小淵沢に住んでいた「チベットの死者の書」の翻訳者おおえまさのり氏だった。

原発の危険性に関する本を書いた作家・広瀬隆氏、原子力資料情報室の高木仁三郎氏などの講演、アメリカインディアン最古の民に伝えられていた核時代の最終予言をテーマにしたドキュメンタリー映画「ホピの予言」の上映、南正人や喜太郎のコンサートなどで大いに盛り上がった。

この世紀の「祭」の場に一緒に参加しながら、その時は話しすらしなかったが、その後ご縁が出来た人の多いこと!当時はマクロビオティックという言葉すら知らなかった私だが、ムソーやオーサワ・ジャパンも祭に協賛し、福島「マクロビアン」の橋本宙八氏やベジタリアン・クッキングの鶴田静さんなどもシンポジストとして参加していたようだ。

自然農の川口由一さんとは親友の結婚式で再会、アートディレクターの芹沢高志氏とは彼の事務所スタッフの鍼灸治療をすることになり、楽健法の山内夫妻ともご縁ができ、彼のパン工房見学後は彼の寺に泊めてもらい興味深い話を聞かせてもらった。鎌倉の友人と真砂秀明さん宅を訪ねた時には、なんと真砂さんから貴重な「いのちのまつり 88」の小冊子をプレゼントしてもらい、TAO塾文庫の書棚に入れさせて頂いた。

私の住む小国で会うことになる人もいる。「ハチハチ」当時、水俣病センター相思社にいた高倉敦子さんや、詩人ナナオ・サカキとは小国で開催されたイベントで出会った。いのちの祭りの九州版とも言える「虹の岬まつり」を主宰しているロックバンド「ダダチャイルド」のボーカル・ろくろうは、5年前小国郷に移住してきた。

「ハチハチ」当時、一世を風靡したラブロックの「ガイア理論」。地球科学、生命科学の分野に様々な刺激を与えて来たばかりでなく、20世紀末の環境保護運動の理論的支柱となり、人々の霊性の目覚めにも大きく貢献した。しかし、昨今、博士は「地球を温暖化から救う道は原発しかない。気候変動を生き抜くため原子力を最大限に活用する」と迷言するに至った。一昨年、「ハチハチ」以来の再会となった翻訳者の星川淳氏が博士に送った公開質問状がWEBで見れるので機会があれば覗いてもらいたい。

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