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免疫力の大敵 白いドラッグの構造的暴力

今日のひとこと

白砂糖は万病の素

近年、国民的人気を博した俳優、歌手、野球選手等が相次いで覚醒剤で逮捕。リオ五輪を前にロシア選手団のドーピング問題で参加の是非が問われる事態となったこともあった。このようなニュースを見聞きし驚きはしても「自分にはドラッグなど無関係」と思う人が大半であろう。しかし実は、私達の非常に身近な場所に「ドラッグ」的作用を体にもたらす物質が存在する・・・

 

それは砂糖

マクロビオティックの創始者・桜沢如一の著書「砂糖の毒と肉食の害」が出版されたのが1939年。「あなた方は皆三白眼だ」の英訳本を作家ウィリアム・ダフティと共著したのが1965年。

その10年後、ダフティの書いた「Sugar Blues」(砂糖病)は世界で160万部を超えるミリオンセラーになり、砂糖の毒性を科学的に説いた古典的著作となった。大女優の妻・グロリア・スワンソンの後押しもあって、この本をきっかけにマクロビオティックに興味を持った欧米人は多い。

2008年にニューヨーク州初の盲目黒人知事・デビット・パターソン知事が同州予算の一部に加糖飲料水への課税を提案。

砂糖入り飲料に対して18%の課税すれば、約4億400万ドルの歳入が得られるという、通称「肥満税」または「ソーダ税」と呼ばれたグッドアイデア!

しかし、清涼飲料水大手のペプシコが州外への本社移転をほのめかすなど、業界の猛烈な反対に遭い、あえなく否決で終わった。

また、2012年にはロバート・ラスティグら米国カリフォルニア大学の医師たちが英国の科学雑誌ネイチャーに「砂糖は毒」であるとして発表し、課税や子どもへの販売制限などを提案した。

しかし、これもまた砂糖や飲料の業界団体が一斉に反論する事態となった。

様々な医師たちが「白砂糖」の害を訴えているのだが・・・改革への壁は厚く高い。

心臓疾患の本当の原因はコレステロールではなく高血糖だ。」           (心臓外科医 ドワイト・ランデル)

「砂糖はADHDや統合失調症、アルツハイマーなど、様々な脳疾患のリスクをもたらす」(ニューヨーク市立大学教授/臨床研究者 ヨウコ・ノムラ)

「砂糖は血糖値をジェットコースターのように急上昇・急下降させる」        (ニューヨーク市立大学心理学教授 リチャード・ボドナー)

 

・・・この問題は実に「構造的」なのである!

 

ここで、前述のウィリアム・ダフティのベストセラー「シュガーブルース」と同名のタイトルで白砂糖の構造的な問題をテーマにしたドキュメンタリー映画を紹介したい。

チェコの女性映画監督アンドレア・ツルコヴァーは「妊娠糖尿病」と告げられ自らの食生活から砂糖を取り除くことに取り組むが、その困難さに直面する。

キッチンから始まった彼女の探究は、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、3大陸8ヶ国を巡り、科学者や研究者、医師、糖尿病患者、健康食を推奨する人々、政治家、食品関係ジャーナリスト、弁護士らを取材し、砂糖産業の発展の裏で隠された砂糖の秘密と真実を次々に明らかにしてゆく。

以下は、映画のパンフレットに掲載されている「妊娠糖尿病」の基本知識

●妊娠糖尿病とは━
妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常のこと。

●妊娠糖尿病の現況について━
アメリカでは年間13万5,000件が報告されており、発症率は増加傾向にあり。主な原因は生活習慣の変化。たとえば、最初の妊娠の高齢化、デスクワークの増加、糖分や飽和脂肪酸が高い加工食品の過剰摂取、ファーストフードの乱用といった食習慣の変化などがあげられる。

●妊娠糖尿病を発症するリスク要因とは━
妊娠中の極度な肥満や糖尿病の家族歴、過去に4,000g以上の赤ん坊を出産した経験や死産の経験がある場合も注意が必要。アメリカにおいてはアジア系の黄色人種は白人に比べて肥満や食習慣の変化によって受ける影響が大きいとされている。食習慣のアメリカ化がもたらすリスクは、ないがしろにできない。

●妊娠糖尿病の母体への影響━
帝王切開や吸引分娩になる可能性が高い。流産や早産のリスクが高まり、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、尿路感染症などの合併症を起こしやすくなる。後に2型糖尿病にかかるリスクが30~60%増加すると考えられている。最悪の場合、妊娠中に死に至ることもある。

●妊娠糖尿病の子供への影響━
巨大児、低出生体重児、先天性奇形、子宮内胎児死亡などのリスクも高くなり、出生後は、肥満や糖尿病になるリスクの増加、ADHD(注意欠陥多動性障害)をはじめとする発達障害や言語性学習障害のリスクなどがあげられる。

監督が角砂糖の発祥の地チェコ生まれのドキュメンタリー映画作家というのも奇縁。この女性監督にマクロビオティック料理研究家の天野朋子さんがインタビューしたところ、「砂糖抜きの食生活は、少しの知識と技術を得れば実現できることを皆に知って欲しい。これは、食卓で始める、誰にでもできる無血の革命なのよ」と明るい笑顔で語った。

その後、この映画の関係者が私が熊本大学紛争解決平和構築学研究室で書いた「食の構造的暴力」という論文に興味を持ってくれ、映画のパンフレット本に寄稿させてもらう機会をいただくことに。映画好きの私にとって、映画のパンフレット本に記事が書久野はいつか果たしたい夢の1つだったが、不思議な流れで思わぬ実現への運びとなった。

読売新聞等に広告記事が掲載され、2016年8月20日福岡市の老舗映画館「中州太陽劇場」にて九州初上映。映画解説を書かせて頂いたご縁で私も舞台挨拶をさせてもらうことに。

・・・縁は異なもの味なもの!

監督自らが妊娠糖尿病をきっかけに「白砂糖の摂り過ぎ」の害について調べ始め、やがて、白砂糖の過剰摂取を促すような食品業界全体の構造、利権問題、南北問題・・・にまで問題意識を広げていく過程と彼女自身の家族(パートナー、3人のお子さん)との暮らしに焦点をあてながら、ときにスリリングに、ときにユーモラスに描いているのが実に秀逸。

独特の演出やスタイリッシュでかつ温かい画面の雰囲気、存在感のある音楽、魅力的な出演者・・・エンターテイメント映画としても十分楽しめる内容。映画パンフレットの巻頭見開き2頁にわたり、「《食の構造的暴力》に対峙するコミュニティの力」というタイトルで描かせてもらった拙文も含め、このパンフレットの内容自体がとても濃く、資料としても非常に素晴らしい出来上がり担っている。

1994年春、私が「欧州無銭旅行」にチャレンジした際に、オランダ・アムステルダムでの講演を企画してくれたKushi Institute of Europe校長の故・アデルベルト・ネリスン氏もこの映画に出演している。

彼は、マクロビオティックの学校と共に、自然食を販売する「Deshima」というショップも経営。鎖国をしていた江戸時代にあって世界との交易の窓口になっていた長崎のあの「出島」に由来している。

その後、日本から輸入している商品の産地と生産者の視察で日本に来られることがあり、熊本の生産地、生産者を案内してあげる機会も。欧米ではベジタリアンやヴィーガンのためのお店やレストランは日本に比べ充実しているが、その多くは砂糖をたっぷり使っている状態。そんな中で、彼は砂糖の害を数十年以上に渡り啓蒙し、シュガーフリーを強く訴えていた。

さて、食をテーマにしたドキュメンタリー映画と言えば、2004年、俳優で監督のモーガン・スパーロック自身が、「1日に3食・30日間、マクドナルドのファーストフードばかり食べ続けたらどうなるか?」を映像で記録した「スーパーサイズ・ミー」が大きな反響を産んだことがあった。

当時33歳だったスパーロックは、途中でドクターストップを受けながらも1ヶ月のファストフード生活を完遂。体重は11キロ増加、体脂肪率は11%から18%に、躁鬱や性欲減退、肝臓の炎症などの健康被害が生じ、マクドナルドは同作を受けて「スーパーサイズ」を廃止することに・・・

そんな中で、ビーフに変わってチキンの方が健康的という印象も広がり、アメリカではチキンサンドが年間10億食も販売され、日本でもコンビでのサラダチキンが人気となった。先月、スリランカにいく飛行機の中で、彼の最新作・スーパーサイズミー2を観たが、今回はヘルシーな食品を提供するにはどれほどの手間やコストがかかるものなのかを、スパーロックならではのツッコミ力でその裏側を暴いている。

コカ・コーラの最初期のレシピにコカインが入っていたり、覚醒剤がヒロポンいう名前で滋養強壮剤として売られていたなど、今は違法薬物とされているハードドラッグも、発見当初は合法的に販売されていた。白砂糖もまた

砂糖を摂取する→血糖値が急激に上昇する→血糖値を抑えようと過剰にインスリンが分泌される→血糖値が急激に下降する→低血糖になる→砂糖が欲しくなるという負の循環を生み

人を中毒にする危険性をはらんだ精製された甘くて白いドラッグであるということが、広く認知される時代の到来を待ち望む。

ドラッグのように、その魔力的な甘さで人を惹きつける白砂糖。そして構造的な利権。

さて、どうしたらこの「負の連鎖」を断ち切り、免疫力の高い身体にしていくか。

それについて、このブログで今後書いていきたいと思う。乞うご期待!

  • 砂糖は心臓疾患、脳疾患のリスクをもたらす
  • 妊娠糖尿病は食習慣による糖代謝異常
  • 食習慣のアメリカ化は危険
  • 砂糖なしの食生活は無血の革命