TAO的パラドックス思考

外国人の急死に寄り添った2日間

阿蘇観光に来られたオーストラリア人3人家族。

65歳の男性が、親孝行に80歳近くのご両親を連れての親孝行の日本旅。楽しい旅行をしていたのだが、温泉入浴中にお母様が心臓発作で急死。

後日、TAO塾のゲストハウスにも宿泊予定だったこともあり、頼りの綱にと彼らから連絡がある。病院に搬送され死亡が確認されたものの、その後の対応に不安があるので助けて欲しいとのこと。

それから、病院、警察、役場、葬儀屋、領事館などと連絡を取り合いながら、丸2日間対応する展開に。

文化の違い、法律の違いなどを解説しながら対処していたが、不幸中の幸い、男性は元議員さんで、お父様は元官僚ということで、大阪の領事館に知人がいることがわかり、その方に様々な指示を仰ぎながら、葬儀屋さんとのやりとりを進める。

葬儀屋の社長さんが、今年、私が社協で講演させてもらった時に、お世話になった民生委員長の方だったので、お葬式に関する様々な話も聞かせてもらえた。

インバウンドの急増で、日本旅行に来た外国人の死亡や温泉入浴での突然死、慣習、宗教、法律などの違いによるトラブルも増えているとのこと。

彼らだけにしておけず、TAO塾スタッフ一同も火葬に同席。豪州に棺桶に花を入れる慣習はないらしいが、私達が持参した花を、ことのほか喜んでくれ、葬儀屋さんにやり方を教えてもらい、思い出の写真と共に棺に入れてもらう。

死顔を見ることは私はしないと遠くから眺めるお父さん、お母さんの安らかな顔を見ながら涙を流し嗚咽する息子さん。

どちらも、辛い悲しみを味わっている表情に息が詰まる。火葬のスイッチボタンを押すまで、私達は彼らの震える手を握って支えることに。目が真っ赤になった彼らを見て私達も思わず涙。

火葬後、彼らのリクエストで会食を用意することになり、話してみると、驚くべきことに、6月にTAO塾に来たアンニャライトほか共通の友人が5人もいることが判明。

遥か遠く南半球の人達となぜ•••••??

私がかつて取材したマレニー、ニンビン、バイロンベイの近くに住んでいること、神奈川にも住んでいたことがあること、そしてNGO関係で繋がりがあること。
お互い不思議なご縁に驚きながら、お母様を偲ぶ話を聞かせてもらう夜となった。

ご冥福を心よりお祈りします。

#インバウンド #葬式 #文化の違い #領事館