童話作家であり、農業者であり、教師であり、科学者であり、仏道者であり、道楽者でもあった?•••様々な多面性を持つ宮沢賢治の思想の中核に近づけるヒントを投げかけている•••
400ページを超える内容濃き大著「宮沢賢治と文字マンダラの世界」が贈られてきた。
著者は、中国石刻経の研究や中国仏教史の分野で世界的にも知られる仏教学者で、立正大学で教鞭を執りながら、東京の雑司ヶ谷で日蓮宗本納寺の住職をされておられる桐谷征一先生。
学生時代にKJ法のご縁で知り合い、KJ法学会でお世話になったり、彼の主催するお寺の子どもサマーキャンプでスタッフをさせて頂いたりした。
宮沢賢治の1300枚を超えるデータラベルを、仏教とKJ法に通底する「己を空しくしてデータをして語らしめる」方法でまとめ上げた図解には、かのKJ法創始者•川喜田二郎東京工業大学名誉教授も驚嘆したと聴く。
私の人生の師匠•堀田俊夫先生も晩年、桐谷先生と一緒に原始仏典「ダンマパダ」をKJ法で組み立て構造的に把握する猛烈な知的作業に取り組んでおられたが、今回の桐谷先生の魂が込められたこの本の緻密さと洞察の深さには凄まじいものを感じる。
アメリカの建築家バックミンスター•フラーは「あなたという存在の99%は目に見えず触ることもできない」と語ったが、
宮沢賢治もまたこう語っている。
「わたくしといふ現象は、仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」
•••私とは何か?•••
浅学寡聞の山猿ではあるが、「文字マンダラ」を手がかりに、少しでも彼らの観た心境に近づきたいものだ。
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