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歌手•加藤登紀子と小国椎茸

【歌手•加藤登紀子と小国椎茸】

「百万本のバラ」「知床旅情」などのヒット曲と”おときさん”の愛称で知られる紅白歌手で、映画「居酒屋兆治」では主演の高倉健の妻役を演じ、ジブリアニメ「紅の豚」で声優も務めた加藤登紀子さん。

実は、彼女と同い歳の親友が我が小国町におられる。

彼と数時間にわたって話し込むのは今回で3回目。一昨年、小国の子ども食堂に参加して頂いた時以来。

今回も、他用でご自宅にお邪魔したのだが、私が数年前京都の同志社大学で特別授業をした話や伝説の「ほんやら洞」で講演した話から、彼の若かりし頃のディープな想い出話が始まった。

1965年、同志社大学の学生の時、ウォッカ目当てに新宿歌舞伎町にあったロシア料理店「スンガリー」に行き、そのオーナーに気に入られ自宅に泊めてもらったという。その人こそ加藤登紀子さんの父•幸四郎氏。

一宿一飯のお礼に小国町の高級椎茸を贈ったことがキッカケで「おとき」さんファミリーとの深い付き合いが始まった。

後に彼女と結婚することになる学生運動活動家でその後有機農業を推進する鴨川自然王国を創立した藤本敏夫氏や、フォークソングの神様と呼ばれた岡林信康氏など同志社つながりの人たちとの交流。

新宿ゴールデン街での小説家•中上健次、フォーク歌手•三上寛、写真家•佐々木美智子、はたまたあの司馬遼太郎の「坂の上の雲」に出てくる海軍大臣•山本権兵衛(のちに総理)の孫娘•満喜子•••らとの数々のエピソードを聞かせてもらう。

前述のロシア料理店の姉妹店になる京都の「キエフ」の店長時代は、私の人生の師匠•堀田俊夫先生が「思想の科学」誌で対談したことがある哲学者の鶴見俊輔ファミリーと懇意にしていたらしい。

“おとっつぁん”と敬称していた加藤登紀子さんの親父さんが、1985年亡くなったときは、声を上げて泣いてしまったという。

斎藤幸平の「人新世の資本論」、マルクス•ガブリエルの「なぜ世界は存在しないのか」を今一度ゆっくり再読したくなる夜になった。

オーガニック編集者・吉度ちはるさんと「半農半X」で知られる塩見直紀さん編著で、私も「半農半塾」なるエッセイを書かせて頂いた「土から平和へ」(コモンズ刊)に、加藤登紀子さんが、フランス革命の支柱の一人だったジャック・テュルゴー(重農主義経済学者・政治家)の以下の言葉を紹介してくれた。

「土だけが本当の富を産み出せる」

おときさんは言う。
「私たちの暮しは土との縁を断ち切られ、自分の力で自分の命を支えることのできない、虚構の存在になってしまっている。土とともに生きること、土を奪わない平和こそ、現代のテーマだ」

※今週よりカフェは土日営業(要予約)になります。
※宿泊やセミナーステイは随時予約受付ております。
お問い合わせ•お申し込みはtaojuku@me.com

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