「先生、不安なんです。車の運転免許の仮免試験があるんですけど2度も失敗して、来週また受けるんですけど、『二度あることは三度ある』というじゃないすか。なんかまた落ちるんじゃないかと心配なんです。」TAO塾の卒業生が話してきた。
いやいや、心配無用!「三度目の正直」という言葉がある!絶対、次は受かるよ!と励ました。運良く合格した彼が、「3度目の正直で合格しました。」と自慢げにピカピカの免許証を見せてくれた。
「おめでとう、良かったね」と祝したのちに、彼が「先生、『二度あることは三度ある』と『3度目の正直』どっちが本当なんですか?」と問うてきた。
「どちらもありだよ」と答えるとキョトンとした表情。
彼に、東洋医哲の「逆もまた真なり」の話をするいい機会だと思い、「陰あれば陽あり。されど、陰極まれば、陽となる」という「易』の話をする。「人は見かけによらない」というが、かつて「人は見かけが9割」というのもあながち嘘ではない。
ことわざ辞典をめくってみると、沢山の反対説を発見できる!
●「七転び八起き」に対して「七転八倒」
●「善は急げ」に対して「せいては事を仕損じる」
●「三人寄れば文殊の知恵」に対して「船頭多くして船山に上る」
●「渡る世間に鬼はなし」に対して「人を見たら泥棒と思え」
●「一石二鳥」に対して「二兎を追うものは一兎を得ず」
●「蛙の子は蛙」と「氏より育ち」
●「瓜のつるになすびはならぬ」に対して「とびが鷹を生む」
●「好きこそものの上手なれ」に対して「下手の横好き」
●「おぼれる者はわらをもつかむ」に対し「鷹は飢えても穂をつかまず」
●「果報は寝て待て」に対し「まかぬ種は生えぬ」
●「立つ鳥後をにごさず」に対し「後は野となれ山となれ」
アメリカの神学者ラインホルド•ニーバーの有名な「平和の祈り」にはこうある。
「神様 私にお与えください。
自分に変えられないものを 受け入れる落ち着きを、
変えられるものは 変えてゆく勇気を、
そして二つのものを 見分ける賢さを。」
しかし、この祈りの詩に対し、こんな別バージョンがあることをアメリカの友人でおしえてもらったことがあった。
「神様 私を許し下さい
変えられないものを 変えようとする傲慢さを、
変えられるものを 変えようとしない臆病さを、
そしてその二つを 見分けようとする愚かさを。」(作者不明)
なるほど、さらに深く物事が見え始めるから不思議だ。
人生、「俺がやらねば誰がやる!今やれねばいつやれる!」と気合入れるもよし!
しかしながら、また逆に
人生、「俺がやらんでも誰かやるやろ!今やらんでもいつかやるやろ」と力まず、焦らず、身の丈にあわせて、必死になってしまうと必ず死ぬよと、緩んでもよし!
目の前の出来事は、こちらの見かた次第で変幻自在に変わってくるものだ。
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