TAO的パラドックス思考

熊大ゆかりの小泉八雲が予見した日本の衰退

来年の秋から放送されるNHKの連続テレビ小説は、かつて熊本大学の前身•旧制五高で教鞭をとっていた明治時代の作家、小泉八雲ことギリシャ人のラフカディオ・ハーンの妻、小泉セツをモデルにしたものになるとのこと。

10年くらい前に、小泉セツのひ孫で、当時島根県立大学の教授をしていた小泉凡さん(現在、松江市にある小泉八雲記念館館長)の講演を熊本大学で聞いた時のことを思い出し、私のブログを検索してみると2013年11月10日のことだった。

http://taopot.blog82.fc2.com/blog-entry-1878.html

私が熊大に行く際は、古来日本人が大事にしていた質素倹約な生き方の再確認のために、時々、ハーンの碑を読み返すことにしている。

【極東の将来】

将来は西洋にではなく極東に味方すると私は信じる。少なくとも中国に関する限りそうだと信じる。日本の場合には、危険性があると考える。古来からの、簡素な、健全な、自然な、節度ある、誠実な生活方法を捨て去る危険性がある。

私は日本がその質素さを保ち続ける間は強いが、もし舶来のぜいたく志向を取り入れるとすれば衰退して行くと考える。極東の賢人である孔子、孟子、ブッダは誰も皆、「ぜいたくを避けて、ごく普通の楽しみと知的娯楽に必要なもので満足することこそ、民の強さと幸せのために重要である」と説いた。その考えはまた今日の西洋の思想家の考えでもある。

さて、諸君にこんなこと――単に私自身の考えだけでなく、私のとうてい及ばない聖賢たちの考え――を述べているうちに、私は「九州魂」といわれているものについて考えてみた。私は質素な習慣と誠実な生活は古来熊本の美徳であったと聞いている。もしそうであるなら、将来、日本が偉大な国になるかどうかは、――九州魂あるいは熊本魂、――すなわち 素朴、善良、質素なものを愛して、生活での無用なぜいたくと浪費を嫌悪する心を、いかにして持ち続けるかどうかにかかっているのだと申し上げ、結論にしたい。」
(小泉八雲 桃井祐一氏、桃井恵一氏が共同翻訳)

さて、温泉朝風呂で身体を温めたら、ハーン先生に見習い、「東洋と西洋の複眼思考」と「東洋哲学の現代的意義」について話しに久留米へと向かう!

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