【What am I ? 私という幻想】
TAO塾では、アイスブレイク替りに様々な「自己紹介」タイムをやる。
通常の自己紹介ならぬ「事故紹介」と言って、自分が最近ヘマをした事、ズッコケたことなどの「失敗談」を出し合うセッション。
講演などでよくある成功談で、心に火がつき、そんな風になりたいとインスパイアされることもある。しかし、成功者とのギャップに自分はそうなれないとかえってコンプレックスが強まることも多い。一見成功者に見えるその人の信者となって自分探しのジプシーになる人も少なくない。
人の失敗談は実に面白い。「事故紹介」はいつも爆笑の渦。そして、あの賢い彼女もこんなヘマすることもあるんだ！あの立派な彼もあんなズッコケをやるんだ！と皆の話を聞いているうちに、こんな自分でも大丈夫なんだと思えてきて、自分を許す感覚に自然となってくるから不思議だ。
TAO塾には、この「事故紹介」だけでなく軽いものから重いものまで、約10種類の「自己紹介」メソッドがいつも用意されている。
先月、TAO retreatステイに来たマクロビオティック料理研究家の中島デコ さんとスタッフの皆さんには、「Who am I」という自己紹介ワーク（遊び）をやった。配られたシートには20の「私は・・・です」という文字が羅列されているだけ。
私は誰々です。私は何処どこから来ました。私の血液型は⚪︎型です。私は⚪︎⚪︎が好きです。私は⚪︎⚪︎がしたい。•••などと軽い感じで書いても構わない。
しかし、時には私は実は・・・です。私は本当のことを言うと・・・です。・・とやっていくと実に深い内的心理ワークにもなる。
私も20年以上、人が来る度にこの「Who am I」をやっているのできっと千回以上はやっていることだろう。
「私は誰？」と問い続けると、意識の表層にあるものだけでなく深層意識に触れていくこともある。
自分の中にある光だけでなく闇も見ていくとさらに面白い。特性や傾向を確認したり、どうしようもない自分を否定するでなく認め受け入れる契機にもなる。積極的な意味での「諦め」「明らめ」•••は諦観に通ず！
また自分や他人は幻想であり、共同幻想の中に自分達は生きていることも自覚されていくことも•••
人生とは様々な体験を通じて「私とは誰か」を問い続ける旅のようにも感じる。
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私は、父方の禿頭、母方の白髪を余儀なく継受しています。
ロマンスグレーは霧幻の彼方、髪の後退でなく私の前進だと観念しています。
私は、饒舌で社交的な面と、無言と孤独を愛する面があります。
伝えたり繋がったりする世界に、時々嘘っぽさを感じる時があるからかもしれません。
私は、使命感に身を捧ぐのも粋、ナンセンスの渦に戯れるのも乙だと思っています。
意義を問う事、意味付けをする事で、なにがしかにコントロールされたくないのでしょう。
私は、ヒネクレ者で「俺がやらねば誰がやる！今やらねばいつやれる！」と皆が躍起になると
「俺がやらんでも誰かやるやろ¡今やらんでもいつかやるやろ¡と不謹慎な事を口走ります。
私は、意外にも人間への絶望感が深く、人為的な偉人伝説・理想郷幻想を持てません。
唯一信じているものは、今ここに届けられる現象そのものしかないような気がしています。
私は、気持ちいい事が好きで、食・性・睡眠の「快」だけでなく何でも制限なく体験してしまいます。
でも、最大の快である死は最後に残し、今生は味わえなかった出産の快は来世に託しています。
私は、時々シビレル感覚、ノックアウトされる衝撃、メロメロになる魅惑の体験を受けます。
それは意図しなくてもハジケル感動、あふれる出る情熱、ほとばしる生気として外に出ていきます。
私は、小賢しい判断力で善悪正邪をジャッジするより身体性に根ざした感覚が信じられます。
道徳、倫理、正義、理想、努力、幸福、愛国、忍耐、孝行、博愛、信仰等様々な美徳を疑います。
私は、「不思議大好き」ですが、ジェームズ・ランディや上岡龍太郎や小川心平が人として信じられます。
孔子は「怪力乱神を語らず」、梅園は「枯れ木に花咲くに驚くより生木に花咲くに驚け 」と喝破します。
私は、男とは名刺交換より一緒に風呂と飯をすることを優先します。握り○玉何も持たずに生まれ死ぬ本来無一物。どちらかというと名詞より感嘆詞や疑問詞で付き合います。
私は、一時的な快楽に溺れ、思考停止した衝動的刹那性は紙一重の魔境だと思っています。
しかし同時に最も大事にすべきは、「快」「刹那」「衝動」「ノリ」だと思っています。そこに本来最も”素”的なフローが隠されていることが多いということを知っているからです。
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