この世の構造

小国町のフラードームと熊大の誇るタナパーと

昨年、小国町の旧西里小学校で開催されたイベントでバックミンスター•フラーの思想についてインタビューを受けた。

その時に、お会いした建築設計や都市デザインを専門とし建築家でもある熊本大学工学部先端科学研究部の田中智之教授の五高記念館ギャラリートークに次男と一緒に参加。

国内外で高い評価を受けている田中先生のパース(建築や都市計画の完成予想図)=通称「タナパー」について興味深い解説。

熊本城の重厚な石垣を透かしてみたり、天守閣を少し持ち上げて周辺の緑を描いてみたりと、実物では見ることができない建物の外観と内部が共存したアート感覚の作品。

阿蘇の人気レストラン「あそ路」横に建っている「孤風館」は、かつての熊大工学部の講堂を移築したもの。

こちらは、通常の透視図法(遠近法)での消失点の共有をわざとしない「タナパー」マジックで注目すべき部分が強調されエネルギッシュな印象を受ける。

実は、この建物を私費で投じて阿蘇へ移築し、自宅兼アトリエとして使用した建築家が当時熊大教授だった建築家の故•木島安史先生。

私の大好きなバックミンスター•フラーの「ダイマキシオンの世界」を翻訳された方でもある。

先頃、TAO塾OBの佐藤亮君が経営する会社が、フラードームの旧西里小学校跡地の再生を担当することになった。彼だったら、「宇宙船地球号」という言葉を使ったフラーの思いを継承していってくれるものと期待している。

「グローバルに考え、ローカルに行動せよ」(バックミンスター•フラー)

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