熊本市内にある自然食品店「ピュアリィ」と「有機生活」にTAO塾の玄米ぽんせんと梅干しを届け、料理教室での講座を終えた後、映画館へ。
最新TAO塾通信でも映画の紹介記事を載せたものの、中々市内に行く時間が取れず、昨日ようやく観れた。
映画のタイトルは「MINAMATA」。世界に水俣病の実態を伝えた米国の写真家ユージン・スミスと元妻のアイリーン・美緒子・スミスさんが1975年に発表した写真集に基づく物語。
上映前から、水俣市の後援拒否や、コロナ禍での上映延期などがあり、上映後も史実と違う内容や過度な演出、正義と悪という単純な構造、写真の著作権問題等様々な批判的な意見もあったが、水俣病を知る間口を広げたという意味において、全国ロードショーが実現し、今後世界へ再び問題提起されていくことには大きな価値があると思う。
劇映画としての限界をわきまえ、これを機会に、さらに真実を知っていく入口としたい。
3年前、熊本大学大学院紛争解決学石原明子研究室で水俣の歩みを深く知る緒方正美氏、杉本肇氏、川本愛一郎氏、森枝敏郎氏、吉本哲郎氏らを特別講師に招き話をじっくり伺う連続シリーズが企画されたが、あのような目に力、言葉に力がある「いのちの授業」が増えていくことを願う。
水俣で起きた悲しみ、苦しみ、そして優しさや希望を次へつなげる一歩に、それぞれの持ち場で、それぞれの表現で、たとえ小さくとも実践していくことだ。
私の昨日の講座では、医食農に絡む化学物質の問題点を生徒さん達といっしょに考えていったが、これからも「ハチドリのひとしずく」を続けていく勇気をこの映画から頂いた。
複雑に絡み合う現代社会の様々な「構造的暴力」の解消は、一方的に誰かのせいにしたり、誰かに委ねてしまったりでなく、一人一人のできることの積み重ねをしていくことでしかない。
最後に、主役のユージン・スミス役のジョニーディップ、運動のリーダー役の真田広之、患者の両親役の浅野忠信、岩瀬晶子などもさすがの名演だったが、昨年小国郷の水害で一緒に汗した友人の中村圭ちゃんの演技も実に素晴らしかった♬
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