TAO的パラドックス思考

妹の里子の講演「ボクのトリセツ」に感涙!

手足と脳に大きな障害を持った彼が、今や高校生になり、まさか大勢の人達の前で、自分の歩んできた15年間の歩みを、しっかりと話す人間になるとは•••涙

私の妹(北里聖子)が、14年前、初めての里子として預かった当時1歳の赤ちゃん、瞬(しゅん)君。

かつて妹も働き、今や私の同級生の親友が施設長を務める小国町のサポートセンター悠愛(旧小国学園)にて、「僕の取り扱い説明書」と題した彼の講演会が開催された。

彼の障がいは⚫︎烈脳症による脳性麻痺⚫︎自閉スペクトラム症(ASD)⚫︎ADHD⚫︎LD(学習障害)の複合。

文字はグニャグニャに曲がって見え、障がいのある手では文字を書くのが困難。また、聴覚過敏で小さな音を全て拾い、視覚過敏でキャパを超える情報が同時に入ってくる。

障がいを持った本人による、辛い闘病生活や学校でのイジメ体験話に、時として張り詰めるような空気が漂う講演会場。

しかし、そんな中、様々な障がいが重なり合った自分の状況を、彼は「ボクの場合、どうも発達障害が発達し過ぎているようで•••」とユーモアに変えて笑いを誘い、場を緩ませる。

私もオンラインで彼の学習の手伝いをする中、彼の目のつけどころや表現力のユニークさに何度も感動した。

手足の麻痺で、好きな野球は実際には、思うようにはやれなかったが、TVやネットで情報を収集し、プロ野球ばかりでなく、今夏の高校野球甲子園出場校全ての名前を暗記し、詳しい解説が出来る程に。

好きな魚や虫などについても、ベストセラー「へんないきもの」シリーズや図鑑を熟読し、つかみネタを持って聞く人を喜ばせることができる。

本当の姓や家族についての真実告知では、「重い障がいを持つボクを実のお母さんは捨てたんだ」と思い苦しんだ。

しかし、時が経ち、実の祖父ちゃんに会うことも出来、愛されていたことを知った時に、出産や施設入居そして里親に預けられる経緯を理解することができた。

今では「妊娠中に、ボクに障がいがあることがわかっても、お母さんは最後までボクを見捨てず、ちゃんと産んでくれた。心から感謝しています」と思うに至った。

彼の存在は、今、大学院に在籍中の私の次男にも大きな影響を与えた。研究室は医用工学を専攻し、書字障がいに対する脳波研究。

今秋から留学予定の大学、研究所で脳と機械を繋ぐロボット工学をさらに深める学究の原動力の一つになっている。

「西野カナや黒川伊保子の”トリセツ”もとても勉強になったけれど、瞬君の『ボクのトリセツ』はそれ以上に感動したよ!ありがとう☺️」

あの小さな赤ちゃんは、我が家に大きな光を届けたばかりでなく、社会に暗在する様々な歪みに対して光を当てていく存在になるのかも。

「弱者に光を!ではなく、弱者こそ光!弱者に立ち現れる葛藤は、強者を含めて世界全体を幸せにする(wholenessを回復させる)入口となる」(石原明子熊本大学大学院准教授)

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