TAO的パラドックス思考

小国水害がもたらした意見交換会と映画イベント

今回の地元・小国町の豪雨水害におけるボランティア活動についての意見交換会が小国町民センターで開催。

町長、総務課長、福祉課長ほか行政職員と社会福祉協議会会長、事務局長ほか社教職員、そして「杖立サテライト」の渡邊孝治君、宇野正貴君、山本美奈子さんの3人と「TAO塾」の民間ボランティア組織が会しての約2時間の意見交換会。

TAO塾では、小国町・南小国町のボランティア有志で「熊本水害支援TAO塾プロジェクト「つなGO! 小国GO!」を立ち上げ、主に小国町の杖立温泉地区、南小国町の白川温泉地区の災害ボランティアに関わってきた。行政や社協あるいは業者の取り組みのニッチを埋めるべく被災者のニーズをヒアリングし支援物資の調達、炊き出し、被災した旅館・キャンプ場・農家での復旧作業を推進。

これまで、TAO塾がボランティアで関わってきた東日本大震災、熊本地震等とは違い、コロナ禍によるボランティア参加者の制限がもたらした動きの制約の苦心や、ボランティア保険の注意点などについて報告させて頂いた。

次なる自然災害に備えて、このような行政と民間が意見を交換しあう機会が用意されたことは大きな一歩。行政、企業、NPOの長所・短所を補い合った連携が健全で持続可能な社会作りのポイントの一つ。今回の意見交換をまとめ災害対応マニュアル作りに活かしてもらえたらと願う。

ところで、家風、校風、社風などと言う言葉があるが、今回の会議は組織の持つ「風」の影響の大きさを感じた時間でもあった。役場職員と社協職員の中にそれぞれTAO塾の卒業生がいたり、役場幹部に中学時代の一級、二級上の直接の先輩達がいたりして、彼らの仕事ぶりが垣間見れたのは嬉しかったが、良い悪いの意味ではなく、すっかり役人風情の気質•物腰になっているのがとても興味深かった。

私が中学1年時に、3年生で小国中卓球部の先輩だった人も今や総務課長。地獄のシゴキで有名だった卓球部の中で、数少ない優しさとバランス感覚を持たれていた人だったが、行政職にあっても円満に持っていくジェネラリストとして調整能力をきっと発揮されておられるのであろう。

夜は、TAO塾のボランティア活動に西原村から通ってきてくれていた「Noroshi西原」の中村圭君が杖立温泉で企画した「ドライブインシアター」に参加。

熊本大学で文化人類学を教えている友人のJoshua Rickardも来てくれ、半年ぶりの再会のビッグハグ。

確か坂口恭平の紹介でTAO retreat & cafeに来たのがご縁の始まりだったと思うが、その後、熊大のグローバル教育カレッジで、私の「もう一つの経済」の特別授業を企画してくれたりもした。

私の車の中で、一緒に映画を見ながら、お互いコロナの影響でオンライン授業に辟易していることや、自由な行動に制約がかかっている事の影響などについてシェアし合う。コロナによる様々な「分断」の弊害は計り知れない。

今回上映された「ギター弾きピコリーノ物語」という映画は、ミュージカルの要素を組み込んだコマ撮りの操り人形劇のアニメーション。山鹿市に拠点を持つ「人形劇・ピエロック一座」が、ドライブインシアター用に制作したオリジナル映像とのことで、ならず者のギター弾きが花売りの娘と出会い、諦めかけた人生を見つめ直すハートフルな物語。デジタルとアナログが融合したノスタルジックな洒落た雰囲気で、本当の意味での「人生のサクセス」とは何か?を考えさせられる秀作!

#熊本地震 #ピエロック #Joshua #山本美奈子 #中村圭 #渡邊孝治君 #宇野正貴